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2006年09月27日

今日また無限軌道の上にて。

 今日はバンドのリハーサル。

 ここのとこはもっぱらアルバムに収録された新曲を演奏することにしている。アルバムを創りあげた、とはいってもステージで演奏するとなるとそれはまったくイチからのやり直しの作業になってくる。つまり、ステージで肉体を持った曲として演奏できるかどうかという事だ。ボクは「曲」をただなぞったような演奏が大嫌いだ。そのアプローチはレコーディングの作業とはかけ離れたものだ。レコーディングで必要なものがライブでは必要なく、ライブで出さなければならない熱量はレコーディングではそれ程必要とされない。その為にボクらはセッセと高校生のバンドがコピーをやるような熱意を込めて「自分達の」曲に取り組む訳だ。まぁ、いずれにしても「熱意」を持って演奏することができるというのは、有り難い事である。それ抜きで演奏しなければならないとしたら、それはまったく無意味な時間を両手に抱えた状態で過ごす事になろう。のっぺりとした巨大な「ういろう」のような虚無である。それって誰にとっても良い事ではない。家で洗濯でもしていた方が遥かにいい。

 ここのトコ、不可思議なスケジュールが続いているように思う。やれツアーだ、ソロライブだ、アイルランドのバンドにゲストで入ってRapや、アルバムのデザイン、プロモーションのプランニングだ……(そんな事が本当にあるのです。世界はもはやグリム童話のように単純ではなくなっている。ムム。)。ボクの頭はあっちへこっちへせわしなく行き来している状態だ。とはいえ、何かやる事になってるのであればそれを十全にやり切ろう、というのがボクのポリシーだ。中途半端なドン・マツオなど誰が必要とするだろう?

 ボクの乗っている列車はガタゴトと動き続けていて、まったく止まりそうな気配すらない。最近考える事は宇宙の事である。

2006年09月22日

すき焼きうどんと信号待ちの関係性。

 ボクがまだ大学生だった頃。

 何の帰りだったか忘れたが(おそらくライブかリハか)、サークルの上の人達と一緒にファミリーレストランに入った。誰にでもあるような、普段からお金のない時期だったのでファミレスに入るだけでもボクには散財だったのだけれど(しかもボクはその頃からこのメニューでこの味にこの金額を払うのはまったく不当だと考えてた。貧乏なクセに美味しくないものなんか食べたくなかったのだ。)、とにかく「すき焼きうどん」を注文した。ほどなくしてそれは運ばれてきたが、そのお盆には生卵がついてて、なんとなく嬉しい気分であった。「すき焼き」には生卵である。100%コレクトである。しかも箸を汁のなかに入れてみると、メニューの写真からは見えなかったお餅が出てきて(ボクはお餅がたまらなく好きである)すっかり得した気分になり、「ヤッター!」と大きな声で喜んだ。あまりの喜び様に隣に座っていた先輩がどうした事かと聞いてきたので、ボクは得意な顔であらましを告げたところ、その先輩は哀れみに似た表情をしてこう言った。
「おいマツオ、そんなにちいさな事をイチイチ幸せに感じてると大きな幸せはやってこないぞ。人間が一生のウチで味わえる幸せは一定なんだからな。」
 もしかするとこの先輩は何かこういう教えの宗教に入ってたのかもしれない。大きな幸せを掴むために小さな幸せを喜ぶことを禁じる神様…………。ないとは言えない。

 という出来事を、昨日目黒で、近道できる信号を待たずに渡れた際「ラッキー!」と心の中で叫んだ時に思い出しました。

 ところでボクはちょっとした事、例えば偶然おいしいドーナッツが味わえた時なんか、もう本当に大っぴらに喜び続けているのだけれど、そのせいで何か大きな幸せを逃し続けているのであろうか?だとしたら問題だけど、とりあえずアルバムは完成したし、出来にも満足している。

 (とはいえボクは、おじいちゃんが言ってた「人間は一生のウチで使える水の量は生まれた時から決まっているから、不必要に水を出しっ放しにしたらイカン。水を無駄遣いすると早死にすっゾ」という教えが子供の心に刷り込まれていて、恐くて水道は最小限にしか使わないよう心掛けている。先輩も同じ様な幼少体験があったのかもしれないですね。)

2006年09月11日

一仕事終わり……。

 ようやくアルバム制作にケリがついた。(音楽面は。まだまだデザイン等、仕事はあるが)さて、これからリセットして次に向かわなければ!、と取りあえずバッグの中身の整理をしようとしてみると……なんともひどい有り様になってしまっていた。確かレコーディング前から手をつけてなかったのだな、コレは。ちょっとリストアップしてみよう。

・DON's creative note book‥‥‥今回のレコーディングに際して思いついた事、歌詞の覚え書き、ジャケのデザインetc.を書き込むノート。いつの間にか大量の書類がはさみこまれている。とてもブ厚くなってしまった。

・小さく畳まれたボロボロのウインドブレーカー……ボクはクーラーが嫌いなので、というより、寒いのが苦手なので、いつも持ち歩いている。かなり小さい。そして……クシャクシャだ。

・AKAIのMDレコーダー……長年愛用の黒。レコーディング中は何といってもMDが一番便利。曲の編集もできるし、曲順だって思いのままである。場合によってはレコーディングだってやっちゃう。

・MDの数々……おそらくリハーサルの音源だと思われる。今聴くとため息しかでないことだろう。なにしろ膨大な時間をリハーサルに費やしたからなー。

・i-pod……これが今回のレコーディング時からの新兵器。これにアルバムを何枚も詰め込んで、聴いた。とても便利だ、と思った。音は良くないけどね。中に入っているのは:The Rolling Stones"Emotional Rescue",Sly & The Family Stone"there's A riot....",Eddie Palmieri,The Roots,The Beatles,The Neptunes,Jay-Z,Kanye West,Konono No.1,Parliament,Pink Floyd,Sufian Stevens,Tom Petty,The Who 等々。

・無印で買った筆箱……消しゴムが1個だけ入ってる。意味ないのかも。

・ピック数枚……ありです。

・色々なトコでもらうサンプルCD-Rが数枚……様々な場所で渡される。ライブ会場や、電車のホームやなんかで。ケースに入ってないものはひどい状態になっている。いかんせんもらった時期が悪かった。スマン。

・サリンジャー「ナイン・ストーリーズ」……「小舟のほとりで」がとても好きで、何度も読む。

・カフカ「変身」……なんでこんなものが……??

・ビール券の束………????あ、これ前に実家に帰った時にもらったんだっけ?

・クシャクシャになったフライヤーの数々……読み返した記憶なし。

・同様に壊滅状態の書類、封筒、メモ………何の為に取っておいたのでしょうか??

・コンビニのビニール袋……同上。

・ガムやチョコレートの包み紙………ゴミ箱に捨てましょう。

………という訳で、すっかりバッグも重くなってしまった。捨ててしまえばスッキリするのではあるが、何とも言えず捨て難い気分でも、ある。それは夏の思い出でもある。ボクにとってこの夏はとても記憶に残るものだった。いつ夏は終わったのだろう?

 そんなこんなで必要以上に重いバッグを抱えながら明日は打ち合わせに行く事になるでしょうね。

2006年09月08日

とてもじゃないが……(日記その4)

 立っていられないくらいだった。ライブ終わって、朝5時頃アルバムの選曲終了。ちょっと寝て祐天寺へ。このアルバムの制作も吉祥寺→恵比須→祐天寺へと移動したのだ。今晩、みんな気付いてないと思うが、満月だった。9月の満月の日、それはズボンズ誕生の日なのでした。そんな日にアルバム最後のツメをやっている事に、なんとなく感動。

 しかし、残念な事に完成せず。今回、やっつけな仕事をしない決心をしたオレの気持はオホーツク海に面した断崖絶壁の岩壁のように固い。なので、作業は持ち越し。明日7時半出発。お昼がデッドライン。

 さて、みんなに予定通りニューアルバムが聴かせられるのでしょうか?ハハ、その時はゴメンよ。

 ちょいと寝かせてもらうぜ。

2006年09月05日

なんとなく気が抜けて……。(日記その3)

 ズボンズの記念すべきニューアルバムの全曲のmix downが終了した。ボクらがそれに文字通り心血を注いだ事を誇りに思う。実際に血を見るような壮絶な現場であったのだが、(とは言っても伝わらないだろうけれど。なにしろ流れる血は心の中のものであって、ある意味それは実際のものよりも大きなダメージになっている可能性もある。本人ですら気付かないが。)終わるとなるととても寂しい気分でもある。本当にみんなよくやった。夏も終わりだ。

 アイスを買って1人で食べました。

 明日はライブもあるが、同時に曲順も考えなければならない。曲順も考えなければならんが、ライブもやらねばならない。なんてこった。でも締めきりがあるからこそできる努力や、見せれる底力もあるよな。明日ぼんやりしているドン・マツオを見かけたならば、放っておいて下さい。

 じゃ、明日。ズボンズのライブを見にいらっしゃい。もちろん、ズボンズのライブを一生観ないでも生きてはいけるけどね。

2006年09月04日

今日も忙しく、しかし楽し。(日記その2)

 日曜日。今日もmix down。そしてアルバム用のフォトセッション。

 午後4時頃、The Good Good Futureのmix終了。やっとこの曲も音源化する事ができました。もちろん、ライブで演奏するものとレコーディングするものとではアレンジやエネルギーの方向が違うのだけど。ライブで演奏しなれた曲というのも、レコーディングにあたってのアレンジは実に難しくなるものだ。この曲は(もちろん)アルバムの顔となる1曲としてヴィデオを録ったりするつもりだったのだけれど、今現在他の曲のクオリティもかなり高いために、悩む。更に悩むのが曲順であるが、悩みつつも実に楽しい作業であるのは間違いない。

 合間を縫って写真撮影。写真もまたバンドの主張の一つですから、そこから何か嗅ぎとれるようなものが撮れてればいいなー。いずれにしてもアルバムの制作真っ最中の撮影なので、アルバムの向かっているベクトルに影響されずにはいられないでしょうね。

 さて、明日は新曲"New Morning"のmix。

 「みんな、新しい朝だ!」

 また明日!

(付録:『今日のリヨジ』)
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 また何か考えてる風です。
でもきっと「お腹減ったナ……。」とかに違いない。
何故なら今日リヨジはボクと一緒に帰らず、恵比寿で御飯を食べると言ってたので。
その後来たメールはコレです。
「おちかれサマでした。G.G.Futureえらいカッコよかったっすね!NeW Morningがどうなるか楽しみです。
ところで例の定食屋ですが、三色丼をたべました(今日はネギトロ、漬け鮪、サーモンでした)。えーと、なかなか美味しかったですが、格別に美味い!とまでは言いきれない感じでしょうか。日曜の夜、というのも原因かも。因みにボリュームは結構あります。個人的には満足です。(平日の昼だったらどうか気になるところ)ではー。」

いいなー3食丼。

2006年09月02日

引き続き苦闘中。(日記その1)

 昨晩、浜松でのライブを済ませてからそのまま一路東京へ。ポッキーの住む下北沢に着いたのは3:00amだったのだけど、普通に賑わっててちょっと驚いた。ほとんど仮眠状態で朝から恵比寿のスタジオでmix down。とても良い調子で2曲が終了。ウチ1曲は3年以上前からある曲"Night Bird"。最初の構想とはもはやかなり違うが、ようやく落ち着くべき形に収まった感あり。

 明日は朝からGood Good Futureのmix。これまた1年以上前の曲ですね。

 とはいえ、今回のアルバムのほとんどはホリディツアー後に書き下ろした新曲が8割を占める。この夏ボクはとても沢山仕事をした。そして、かなりNEWだ。

 ところで昨日までのミニツアーに於いて、新曲の反応が良かったのでとても嬉しい。

 ズボンズはどうして新鮮でいられるのだろう………???わからんが、確かに新鮮だ。ボクはアイデアに詰まったりしない。レコーディングは常にエキサイティングだ。

 明日はmixと同時進行でフォトセッション。その為、リヨジくんa.k.a.ムーストップは大阪の中崎町で髪を切った。(ライブの直前に)オシャレ………かな?
(最近リョーちゃんネタ多いね)
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 まだまだ作業は続くが、そろそろキミらも新しいズボンズのアルバムに備えてくれたまえ。

 ではまた!