「We’re talkin’ bout Zoobombs」
ズボンズとはいったい何なのか?そのまわりにいる人たちに話を聞くことでその答えを浮き彫りにする
インタビュー。第一回目は、ある意味で現在のズボンズライブの鍵を握るニュードラマーpit。
ズボンズのドラマーであることの苦労、楽しみ、目標なんかを聞いてきました。




ーズボンズにはどういう経緯で参加することになったの?
pit以下P)結構今でも謎なんですよね。最初、他のバンドをやっていたんですけど、それに限界を感じて、 他にも何かやりたいと考えているときに、my spaceに自分がドラムだけ叩いたやつをアップしてて、「何か 仕事があれば受けます」みたいな感じでいたんですよ。そしたらズボンズサイドから連絡があって、1月 くらいにリハ入ったんだけど、やっぱりダメだみたいな話になって、とりあえず不合格だったんです。 で、しばらく連絡なくて、俺も今後どうしようかななんて考えてたら7月くらいにまた連絡が来て・・・

ー気まぐれだなぁ(笑)
P) で、連絡きた1週間後か10日後くらいにロフトでライブだからみたいに言われて(笑)

ー凄すぎる(笑)
P) リハのたびに「ほんとに俺やるんですか?」って聞いてたから(笑)

ーその後4ヶ月くらいたつけど、どうですか?
P) いや、大変ですよ(笑)

ーどういうところが?
P) 今まであの3人で13〜4年やって築いてきたものに追いつく努力をしなきゃいけないし、曲ももの すごいいっぱいあるから、ひとつの曲をある程度覚えてきたら、「次これやってきて」みたいなのも あるし、でも・・・すごい楽しいです。努力しないと得られない楽しみ。その努力が足りているか足 りていないかわからないけど(笑)

ーその楽しみっていうのはどういうときに感じられるものなの?例えばこの曲ができるようになったとか、あるいはライブで?
P) ライブで最初はどんな風にやったらいいのかわからなかったことが、回数を重ねていくごとにできる ようになっているのを実感しているところですかね・・・まぁ、マツオさんに言わせるとどう言われるか わからないけど(笑)

ー厳しいからね(笑)
P) 「いや、まだまだだよ!」なんてこともありうるでしょうけど。毎回ライブの演奏をMDに録って確認 するんですけど、それを聴くと必ずもっとこーできる、あーできるっていうのがあるんですよ。それを次のライブまでにやるのが課題になる。それが次のライブのときに形にできたらすごいうれしいじゃないですか。 でも、そのライブのMDを聴くとまた新たな課題が見つかる。ずっとそれの繰り返しだと思います。

ーそこにお客さんていうのはどういうかかわりなのかな?例えばお客さんの反応がよかったときとかも楽しかったりする?それともそこはあんまり関係なくて、自分の課題を克服できたかどうかが重要?
P) 今はまだお客さんの反応を見るレベルまで行ってないかも知れないですね。でも意識はしています。 なんていうか、やっぱりモチベーションのひとつで、ライブ前にお客さんを見ると、「この人たちを熱狂 させなきゃいけない!熱狂させるぞ!」っていうのが強くなる。お客さんが多いとか少ないとかは関係なく それはありますね。

ー今、ライブでやるっていったらどれくらいの曲数できるようになってきた?
今度のBOMB UP BASEMENTではどんな曲やるの?
P) リハではやってないけど、聴いて覚えている曲は結構たくさんあって、今度のBOMB UPは最初 「”let it bomb”を丸々やる、そういう企画だ!」って言われて、「わかりました!」って言って、let it bomb 一生懸命聴いて練習してたら、「その案はなくなった」って(笑)

ー(笑)
P) そのあと今までの人気のある曲。hot loveとかfeel ur sexとかbomb the bombとかやるから覚えてきてって 言われて、それを練習してたら・・・「今度のワンマンのテーマが決まった!」って(笑)

ー決まってたんじゃないの?(笑)
P) もう何曲あるのかわからないですね(笑)

ーそのテーマみたいなのは聞いたの?
P) 今回は壮大な、感動させる感じでいくって言ってましたよ。「そんな騒いでらんないんだよ!騒いでる だけじゃダメなんだよ!」って(笑)だからすごいんですよ、circleX、pleasure drop、アフリカの夢 なんかもやるかも。

ーへー!たしかに騒ぐっていうより深い感じだね。
P) 深すぎなんですよそれが(笑)それが今後の課題につながってくるんですけど、曲の表現が音源とライブ で全然違うんですよ。CDの感じでとどめておくんじゃなくて、そこから何を表現したいかを汲み取らなきゃいけない、で、それをみんなでやるってことだから・・・。

ーたしかに、そこで同じものをイメージしていないとね。
P) そうなんですよ、やっぱりここでどう考えているっていうのが一緒じゃないと、それを理解して表現しないといけない 。例えばmo’funkyだったらどこまでも盛り上がっていくじゃないですか。あの感じをどこまで表現できるか。それを表現する自分のベクトルをもっと大きくできるならば、もっと大きくしなきゃいけない。

ーなるほど。
P) pleasure dropとかも一緒で、落ち着いた曲じゃないですか。でリハーサルのときにCDと同じように 叩いたら「そんなんじゃだめなんだよ」みたいな(笑)

ーそういう曲なんじゃないの?(笑)
P) 全然違うよって言われて、もう叩きまくってましたよ(笑)

ーpleasure dropを!?おぉー、面白そうですね(笑)
P) よく言われんだよな〜、「ダメだそんなんじゃ!」って(笑)リハが戦いですよ毎回。
ライブぐらいの感じでリハに挑んでますもん。

ーなるほど。
P) 先がどこまでもあるっていう楽しみがありますよ。あと、今のところ自分が頑張れば、他はもうわかっている人たちだから、それで頑張ろうっていうのもあります。

ーたしかに、他のメンバーはもうずっとやってきて、安定しているからね。だから今のライブをよくするかどうかはピットくん次第なのかも。
P) そのうち俺も影響を与えられる存在になりたいですよね、俺が追いついて・・・それがいつになるのか わからないけど。

ーアハハ(笑)
P) いつになるかわからないけど、それによってみんなが伸びれば。

ーポッキーさんもそこに至るまでには時間かかったからね。
P) あ、そうなんですか?

ー入った最初の頃は正直演奏に心配なこともあったけど、後半はポッキーさんが引っ張っていくような ライブもたくさんあったし。
P) そうなんだ。だから歴代のドラマーを超えないとっていうのもある。

ーそれぞれにオリジナリティっていうか個性が出ていて、アルバムごとにテイストが違う理由の中にはその 影響もあるんじゃないかなと思う。 どうですか?「ピットらしさ」はだせるようになった?
P) いやぁ〜、それが全然わからないです。ほんと研究中です。「自分らしさとは何なのか?」という問いかけにもなってくる。 それがあることを祈ります。

ーポッキーさんが前ボズボンかなんかで、「ドンさんが『俺の音』って言うんだけど、自分も『俺の音』 がわかるようになった」みたいなことを書いていた気がする。そこがたぶん分岐点なんじゃないの?
P) それは課題ですよね・・・なんか考えちゃうな。こないだyoutubeで、ポッキーさんのときの way in way outを観て、普通にもう「かっこいい〜」みたいな感じで(笑)

ーあの頃はなんでもできたからね、長いこといたからできる曲も多かったし。
P) あれを観て、なんか「あ、ヤバイ」と思いましたよ。すごかったですよ。でも、とりあえずここまでできるっていうのがわかってよかった。 曲ができるようになったからって甘んじてられないって、気持ちが引き締められました・・・でも自信はあるんです。


ーおぉー来ました!急に自信!(笑)
P) 自信だけはあるんです(笑)

ーなんだかできそうな気がする?
P) そうそう(笑)よくわかんないけど、「絶対できるよこんなの!」
みたいな部分はある。だってそれ観て、「どうやっていいか全然わから
ない、凄すぎるぅぅ〜」ってまでではないから。長くやってまとまる
部分もあると思うし、自信はあります。


ーじゃあ、最後に各メンバーを一言で表すとどんな感じ?
P) 一言で?難しいですね。

ームーさん
P) すべてをわかっていて大事なときに一言だけいう感じ。それはツアーのときの(車の)運転からプレーまですべてにおいて同じかも。

ーマッタさんは?
P) マツオさんに唯一さらりと意見を言える人(笑)音楽の面では、自分やムーストップさんには持ってないものを持っている感じがします。ベルベットアンダーグランド初めて聴いたときからめちゃめちゃかっこいいって思ったらしいから。

ーきっと独特な感性をもっているんだろうなって思う。じゃあドンさんは?
P) いやぁ〜、それこそ一言では表せない(笑)

ーたしかにね(笑)
P) なんて言うんだろう・・・何を言えばいいかな・・・・・・・・・いや、思いつかないとかじゃないんですよ、言葉にできない感じ(笑)

ー言葉にできない?(笑)
P) なんて言うか。今やほんとに大きな存在。音楽の面では毎回衝撃を食らってますからね、 核心をついたことを言うんで・・・言いたいことはいっぱいあるんだけど、言葉にできない ・・・・・・音楽の先生かもしれない。

ー言いたいことはわかるけど、音楽の先生っていうとなんか学校の先生みたいだね(笑)
P) 授業料とるぞって言ってましたよ(笑)


文章におこしてみるとなんと「(笑)」マークの多いインタビューでしょう。
彼のこの真剣に考えつつも気負いすぎない姿勢が、最強の音楽の先生の指導を受けて、ズボンズを引っ張るスーパードラマーへの道を切り開くことを
期待しています☆


インタビュー by ヨシタカ






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