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ローリング・ストーンズのお陰です。

  前回の続報。3月8日、初台ドアーズにて行われた"Respect The Stones"発売記念、ローリング・ストーンズ・トリビュートライブはチケットはSold Out、とても盛り上がった一夜になった。ボクにとってもとても得難い経験ができた1日だった。なにしろ出演者のメンツが凄く、普段ならば一緒にやる機会がほとんどないような方々ばかりである。こういう機会を作ってくれたマイク越谷氏に深く感謝すると共に、すべてはローリング・ストーンズのお陰だ、とも言える。

 日本のロックの歴史に疎いボクだが、その日は歴史を築きあげてきた沢山の方々のプレイに触れる事ができた。それは好き嫌いを超えて何か胸を打つものがあったし、陳腐な言い草になってしまうのだけれど、さすが長年やり続ける事でしか得れない説得力が出てるのを感じざるを得なかった。これはボクの正直な感想である。ボク自身は、ロックという存在が常に革新的であらねばならないと強く思うのだけれど、革新的である強さだけではなく、年月を重ねて生まれる強さもある事を実戦的に教えていただいた感じだ。
 例えば鮎川誠氏のギタープレイは(これは御本人にも言ったのだけれど)、まったく洗練からはみ出ていて、更に本人がくぐり抜けてきた歴史がその音に滲み出しているので、説得力のある胸に直接飛び込んでくる音になっている。(明らかに鮎川氏の音だけ「特別に」前に出ていた)それはもうただの「ギターの音」ではなく、人間の存在証明みたいなものだ。人間の存在を賭けた音は人の胸に直接飛び込んでくるし、それは人を感動させずにはいられないものだと思う。それを聞いて、ボクはまだやらなければならない事が沢山あるし、それをやり続けなければならないのだと感じた。この先の膨大な時間を考えるとちょっとクラクラしてくるのだけれど。なにしろ多くの事を学ばせていただいた。
 とは言え、ステージではいつもの自分のプレイを心掛けた。まだまだ若輩者とは云え、それがボクのやる事だし、そうする事によってボク自身の存在を認めてもらわない事にはあまり意味が無いと思うからだ。結果、とても良いステージができた。先輩の方々にも褒めていただけたし(恐縮です…)、お客さんにも暖かく向かえてもらえたと思う(恐縮です……ハハハ)。何と言ってもステージで音を出すのは楽しい。これは世代が、とか、音楽観が、とか超えた所の話になってしまうのだ、結局。「じゃあどんなものでも良いのか?」と聞かれたら、「そうなのだ」としか言いようがない。うん、ボクは大分変わってきたんだ。

 前回も書いたが、そこにあった縦の糸をどう次に繋げていけるのか、がボクの興味あるところだ。ここでできた得難いコネクションが次の世代に繋がる事によって大きな歴史のうねりが創り出されていくのだろう。ボクにも、もちろん、できる事はあるのだ。昨日鮎川さんから来たメールに"Keep on Rockin'!!"とあったが、ボクもkeep in touch、である。きっと何か生まれるのでしょうね。ボクは良いポジションに、いる。

 おー、今日からズボンズのレコーディング再開だよー。

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